開業から約1か月半経って
(写真は開業日に撮影したものです。現在は胡蝶蘭を他の場所へ移して,玄関には観葉植物を置いています。)
古山綜合法律事務所の代表弁護士古山隼也です。
もう5月も最終日ですね。あと1か月も経つと今年の半分が終わってしまうのかと考えてしまうのは,気が早いでしょうか。でも,そう考えると今年の残り7か月を有意義に過ごせるように思えませんか?
アーノルド・ベネットは,「自分の時間」という本で
「時間があれば金は稼げるが,金があっても時間は買えない」
「時間に関しては富による特権階級も,知的能力による特権階級も存在しない。天才だからといって1日に余分な時間を与えられるわけではない」
と言っています。
全ての人に平等に与えられている限られた時間の中で,これまでどうやって過ごしてきたか振り返ると,これからの時間を浪費する気もなくなってきませんか?
これまでの時間も,浪費してきたわけではないと思います。でも,これからの時間も,ただ浪費できるほど限りないものではないでしょう。
当事務所が開業したのは今年の4月17日ですので,開業から約1か月半経ったことになります。
一から法律事務所を設立することの大変さは予想をはるかに超えていて,開業後も「開業準備」のような作業に追われ続けていた気がします。1か月半なんてあっという間ですよ。もし独立を予定している先生がおられましたら,先に開業された先生へアドバイスを求めることを強くお勧めいたします。
「ご相談やご依頼のありがたさを実感したい」「初心に帰りたい」と思い,以前所属していた事務所で担当していた事件を後任へ引き継いで,一からスタートすることにしました。そのため独立直後は事件もなく,「開業から半年くらいはご依頼もなくて赤字だろう」と考えていたのです。
ところが,実際は売上見込で黒字スタートという予想外の結果となりました。本当にありがとうございます。
ホームページをご覧になって来られた方はもちろん,友人・知人からご紹介いただいた方もいれば,以前のご相談者様・ご依頼者様がわざわざ当事務所を調べてご連絡されることもあります。私自身を信頼してご紹介やご来所をいただけることに対し,私のできる精一杯のお仕事をご提供することで応えたいと思います。
弁護士として仕事をご提供できる期間も,限りないものではありません。「人生100年が現実となってきている」という話も聞こえますが,100年も結局は有限ですし,100歳まで働けるというわけでもないでしょう。
以前からの夢だった「弁護士になること」「自分の事務所を持つこと」が叶い,これからは「必要としてくださる方のこれからを支えること」に弁護士としての自分の時間を使いたいと思っています。
今後とも,よろしくお願い申し上げます。
【離婚・第3回-②】浮気したほうから離婚を請求できる場合とは?
古山綜合法律事務所の弁護士古山隼也です。
昨日,電車でオクトーバーフェストの帰りと思われるグループを見かけました。暖かくて外でお酒を飲むのも気持ちよい季節になりましたね。でも汗をかいているのに飲むのはお酒だけというのは危険ですので,気を付けましょう。ちなみに,事務所の向かいにあるT-SITEのレストランにはテラス席があります。風もよく通る気持ちよい場所ですので,ご興味ある方はぜひ。
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前回,「有責配偶者からの離婚請求も認められる(≒愛人と浮気をした夫(妻)が離婚を拒む妻(夫)と離婚できる)場合がある」とご説明しました。
それは一体,どのような場合なのでしょうか。
たとえば,長年別居している高齢の夫婦が,子どもも独立している状況で,妻(夫)が夫(妻)から仕送り(生活費)をもらうためだけに離婚を拒否している場合は,どう思いますか?愛人と浮気をした夫(妻)はどんな状況でも離婚できないのが当然でしょうか?
まず,最高裁判所は,夫婦関係が破綻しているのに戸籍上だけ夫婦とするのは不自然だとしています(昭和62年9月2日判決)。
「夫婦としての共同生活の実態を欠くようになり,その回復の見込みが全くない状態に至った場合には,…なお戸籍上だけの婚姻を存続させることは,かえって不自然である」
つまり,婚姻(夫婦関係)が破綻している場合,戸籍上も離婚するほうが自然と考えているのです。
ですが,あくまで離婚判決は嫌がる妻(夫)を無理やり離婚させるものですので,下の3つの点から判断することとしました(「→」は簡単な表現に変えたものです)。
① 別居期間が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと
→「別居が長いということは,夫婦関係は壊れていてもう元に戻らないのでしょう」
② 未成熟の子が存在しないこと
→「両親が離婚しても,被害を受ける子どもはいないでしょう」
③ 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状況に置かれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められないこと
→「離婚して生活費をもらえなくなっても妻(夫)は生活に困らないのでしょう」
つまり,上の3つの点から見ても問題ない場合は,有責配偶者からの離婚請求も認められることとなるのです。
ちなみに先ほどご説明した判例は,
① 夫婦とも70歳を超えていて,同居12年・別居35年
② 子どもは成人
③ 愛人と暮らす夫が妻に建物を譲渡し,妻は建物を売って生活費に充てていた
というもので,夫が妻に離婚後の生活費と慰謝料を渡すことで離婚を認めたという事件です。
現実にはいろんな場面がありますので,その状況から個別的に判断していくことになりますね。
【離婚・第3回ー①】浮気したほうから離婚を請求できる?
古山綜合法律事務所の弁護士古山隼也です。
最近,夏日になっても全く驚かなくなりましたね。この気温の大きな変化のせいか,風邪気味の人をよく見かけます。外の気温はどうにもできませんので,せめて水分補給をしっかり行う必要がありそうです。
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個人から受けるご相談・ご依頼で,交通事故の次に多いのが離婚・男女トラブルです。
そこで,離婚についてのご説明を優先しようと考えていたところ,友人からフェイスブックで「有責配偶者からの離婚請求も場合によってはおk的な話もみんな知りたそう(笑)」(原文ママ)との提案をいただきましたので,今回は「有責配偶者からの離婚請求」についてご説明します。
「有責配偶者」とは,「夫婦のうち,離婚原因を作った側」です。
前回ご説明したとおり,判決で離婚するためには民法で決められている離婚原因のどれかにあたる必要があります。代表格は不貞行為(浮気)ですね。
つまり,「有責配偶者からの離婚請求」とは,
「愛人と浮気した夫(妻)が離婚を拒む妻(夫)と判決で離婚できるか?」
という問題と考えるのが,一番イメージしやすいと思います。
おそらく,多くの人は「そんな勝手,許されるわけがない」とおっしゃるでしょう。夫(妻)が愛人と結婚するため,嫌がる妻(夫)と無理やり離婚しようという話なのですから。
実際,最高裁判所も以前は有責配偶者からの離婚請求を認めていませんでした。
有名な判決(昭和29年11月5日判決)でも
「結局上告人が勝手に情婦を持ち,その為最早被上告人とは同棲出来ないから,これを追い出すということに帰着するのであって,もしかかる請求が是認されるのならば,妻は俗にいう踏んだり蹴たり(原文ママ)である。法はかくの如き不徳義勝手気儘を許すものではない」
としています。
夫が愛人との間に子どもを作り妻と別居して愛人と同棲していたのですが,これで夫から無理やり離婚できるとなると妻に救いがなくなってしまうため,離婚を認めなかったという事案です「踏んだり蹴ったり」判決と呼ばれています。
ですが,友人が「場合によってはおk」と言っているとおり,実はこの判例も変更され,現在は有責配偶者からの離婚請求も認められる場合があります。
では,どのような場合に愛人と浮気した夫(妻)が離婚を拒む妻(夫)と離婚できるのでしょうか。次回は,その条件についてご説明します。
【離婚・第2回】離婚はどんなときにできるのか
(受付用電話機。ご来所の際には受話器を取ってご用件をお話しください)
古山綜合法律事務所の弁護士古山隼也です。
ホームページ:古山綜合法律事務所
あっと言う間にGWも明けましたが、早速、初夏を思わせる気温の変化に身体もついていくのが大変です。皆さまもお身体には充分お気を付けください。
前回、離婚についてのご質問に答えたところ反響がありましたので、今回はその続きをご説明します。
前回では「基本的に、離婚の原因が違法行為と言えるほどでなければ、慰謝料は関係ない」とお話ししました。
しかし、場合によっては「離婚の原因が違法行為と言えるほどでなくても、離婚するには慰謝料を支払う必要がある場面」も出てきます。
それは、離婚できる方法が限られているからです。
そもそも、離婚はどんなときにできるのでしょうか。
結婚は本人たちが「結婚する」と合意しない限りできません。日本では国家権力を使おうがお金をいくら払おうが、本人の意思に反して強制的に結婚させることはできません。
なので、離婚も本人たちが話し合って「離婚する」と合意することが基本となります(協議離婚)。本人自身のことなので、理由が何であれ「結婚する」と合意すれば結婚できますし、「離婚する」と合意すれば離婚できるのです。
では、夫婦の一方が離婚を希望しているけれどもう一方が離婚したくない場合は、どうなるのでしょうか。
この場合、家庭裁判所で調停委員の仲介という助けをもらいながら話し合って離婚についてもう一度よく考え、それにより「離婚する」と合意できることも多いですが(調停離婚)、それでも合意できないときは強制的に離婚する方法を考えることになります。つまり、離婚判決をもらうのです(裁判離婚)。
結婚と違い、離婚は国家権力(判決)を使うことができます。もっとも、一方が嫌がっているにもかかわらず判決で無理やり離婚させるわけですから、離婚判決をもらうには以下のどれかに当てはまる必要があります(民法第770条1項)。
1 配偶者に不貞な行為があったとき
2 配偶者から悪意で遺棄されたとき
3 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
上のどれにも当てはまらない場合(違法行為と言えるものがない場合)、裁判所から離婚判決をもらうことはできません。
つまり、夫婦で協議や調停をしても「離婚する」と合意できず、上のどれにも当てはまらない場合、裁判しても離婚できないのです。
夫婦の一方がどれほど強く希望しても、強制的に離婚することができないときがある。それでも離婚したければ、なんとか配偶者を説得して「離婚する」と合意してもらうしか方法がなくなります。その説得の手段の一つとして、「離婚するには慰謝料を支払う必要がある場面」が出てくるのです。
つまり、このときの慰謝料とは、違法行為による損害に対する賠償金でなく、離婚に同意してもらうためのいわば手切れ金と言えるでしょう。
なので、本人に違法行為がなくても、離婚の際に慰謝料(手切れ金)を支払うことは珍しくありません。逆に、いくら慰謝料(手切れ金)を積もうが、相手が離婚に同意してくれなければ離婚できないのです。
【離婚・第1回】離婚を求める側が慰謝料を支払う?
(写真:事務所入口。通常は開放しております)
古山綜合法律事務所の弁護士古山隼也です。
ホームページ:古山綜合法律事務所
先日、ご相談者様から「離婚を求める側が慰謝料を支払わなければいけないんですか?」とのご質問をいただきました。
そこで、今回はこのご質問にお答えしたいと思います。
早速、結論から言うと
「基本的には、離婚の原因による」
となります。
まず、離婚の際に慰謝料の支払いについてよく問題となりますが、離婚と慰謝料は必ずセットになるというわけではありません。
不貞行為(浮気)やDVなどの違法行為(不法行為)が離婚の原因であることも多いため、離婚する際に慰謝料を支払うというケースが出てくるのです。
つまり、少し極端な言い方になりますが、基本的には
① 離婚の原因が違法行為と言えるほどひどければ、それを作った側が慰謝料を支払う
② 離婚の原因が違法行為と言えるほどでなければ、慰謝料は関係ない
と考えてもらってよいと思います。
なので、たとえば「トイレの蓋を閉めてくれない」とか「目の前でオナラをする」などは違法行為だと通常言えませんので、それがもとで離婚することになっても慰謝料を支払う話とはならないでしょう。
では、夫婦どちらにも違法行為はないけれど、一方が離婚したい場合、慰謝料の支払いは必ず問題とならないのでしょうか。
これをご説明するためには、「離婚の方法」についてご理解いただく必要がありますので、次回にこれをお話ししてから、触れたいと思います。
【小論文講座・第1回】「良い小論文」とは?
(写真:事務所の相談室。完全個室です)
古山綜合法律事務所の弁護士古山です。
ホームぺージ:古山綜合法律事務所
このブログを開設して約1週間経ちましたが、おかげさまでアクセス数が今日で650を超えました。23日のレセプションの際にも「ブログ見てるよ」とのお声を多数いただいており、すごく励みになります。ありがとうございます!
なお、「誰が見たか」までは分かりませんので、ご安心ください。
レセプションの際にいただいたお花やお品のご紹介や事務所案内など掲載したい内容はほかにもありますが、今回は「小論文講座」にしたいと思います。
というのも、私は以前にほんの少しだけブログを書いていた時期があるのですが、そこで小論文の書き方を掲載していたのです。ただ、諸事情により削除してしまったため、最近色んな方から「あれはどこ行った。再開してほしい」とのご希望をいただいておりました。私は大学受験や就職試験に少しぐらい役立つのではないかと思って始めたのですが、どうやら昇進のための論文試験対策などに活用できるそうです。
そこで、当ブログで一から再開します。
【小論文講座・ご注意】
「小論文講座」は私が文章を書く際に意識していることをご説明するものです。そのため、一個人の見解に過ぎず、全ての方や場面に通用するものではないことをあらかじめご了承ください。
【小論文講座・第1回】
小論文試験は意外と多いにもかかわらず、受験予備校で講座があまりありません。
おそらく、小論文試験は問題や生徒によって多種多様な正解があるためちゃんと教えるにはマンツーマンでの指導が避けられない、そもそも小論文を得意とする人が少ない、などが理由だと考えられます。
しかし、「良い小論文」を書くための一定のルールはあります。「小論文講座」では、私が小論文を書く際に意識していることをご説明いたします。
ちなみに、私は、大学試験、公務員試験、大学院試験、司法試験などで論文試験を受け、これら全てに合格しています。小論文の能力は単なる学力と異なるため、学力が高くてもあまり良くない文章を書く人は珍しくなく、私が頼まれて添削することもありました。
そもそも、「良い小論文」というのは一体何でしょうか。
表現が美しい、難しい言葉を用いている、発想が優れている…。いろいろ思いつくかもしれません。
ですが、一番大事なのは「読み手にとって読みやすいこと」です。
なぜなら、小論文は試験の際に作成され、採点者による評価を受けます。多くの小論文を読まなければならない採点者が、そのうちの1つにかけられる時間は限られています。
つまり、あなたが書いた小論文は1度ぐらいしか読まれないと考えるべきです。読みやすくなければ、採点者は「言っていることが分からない文章=評価に値しない文章」と判断することになるでしょう。
よって、「良い小論文」であるために一番大事なのは「読み手にとって読みやすいこと」である、と私は考えます。
この小論文講座では、読み手にとって読みやすい小論文の書き方をお話しする予定です。大事な項目ごとに分けてご説明しますので、お付き合いいただけると幸いです。
レセプション
古山綜合法律事務所の弁護士古山です。
ホームページ:古山綜合法律事務所
昨日は事務所のレセプションでした!
年度初めである4月の日曜で皆さんお忙しいにもかかわらず、40名(子ども含む)を超える方々にお越しいただき、おかげさまで盛大なレセプションとなりました。
皆さま、本当にありがとうございます!!
当日は、お花やお品がいくつも配達されてきたり、ご来賓の方々がお花やお品・お祝い金などをお持ちくださったりで、事務所の中はご来賓の方々とお花やお品であふれ、凄く華やかで非日常の空間が広がっていました。思い出すと、今でも夢のようです。
このような機会は滅多にないからこそ価値があるのでしょうが、いつか何かの理由を見付けてまた行いたいと思ってしまうほど、素晴らしい時間でした。
今日はそのレセプションにお越し下さった方々のうち、掲載の許可をいただいた写真をご紹介いたします。