古山綜合法律事務所のブログ

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【離婚・第3回ー①】浮気したほうから離婚を請求できる?

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古山綜合法律事務所の弁護士古山隼也です。

最近,夏日になっても全く驚かなくなりましたね。この気温の大きな変化のせいか,風邪気味の人をよく見かけます。外の気温はどうにもできませんので,せめて水分補給をしっかり行う必要がありそうです。

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個人から受けるご相談・ご依頼で,交通事故の次に多いのが離婚・男女トラブルです。

そこで,離婚についてのご説明を優先しようと考えていたところ,友人からフェイスブックで「有責配偶者からの離婚請求も場合によってはおk的な話もみんな知りたそう(笑)」(原文ママ)との提案をいただきましたので,今回は「有責配偶者からの離婚請求」についてご説明します。

 

「有責配偶者」とは,「夫婦のうち,離婚原因を作った側」です。

前回ご説明したとおり,判決で離婚するためには民法で決められている離婚原因のどれかにあたる必要があります。代表格は不貞行為(浮気)ですね。

つまり,「有責配偶者からの離婚請求」とは,

「愛人と浮気した夫(妻)が離婚を拒む妻(夫)と判決で離婚できるか?」

という問題と考えるのが,一番イメージしやすいと思います。

 

おそらく,多くの人は「そんな勝手,許されるわけがない」とおっしゃるでしょう。夫(妻)が愛人と結婚するため,嫌がる妻(夫)と無理やり離婚しようという話なのですから。

実際,最高裁判所も以前は有責配偶者からの離婚請求を認めていませんでした。

有名な判決(昭和29年11月5日判決)でも

「結局上告人が勝手に情婦を持ち,その為最早被上告人とは同棲出来ないから,これを追い出すということに帰着するのであって,もしかかる請求が是認されるのならば,妻は俗にいう踏んだり蹴たり(原文ママ)である。法はかくの如き不徳義勝手気儘を許すものではない」

としています。

夫が愛人との間に子どもを作り妻と別居して愛人と同棲していたのですが,これで夫から無理やり離婚できるとなると妻に救いがなくなってしまうため,離婚を認めなかったという事案です「踏んだり蹴ったり」判決と呼ばれています。

 

ですが,友人が「場合によってはおk」と言っているとおり,実はこの判例も変更され,現在は有責配偶者からの離婚請求も認められる場合があります。

では,どのような場合に愛人と浮気した夫(妻)が離婚を拒む妻(夫)と離婚できるのでしょうか。次回は,その条件についてご説明します。